身体のコーディネーション能力
今年ももう今月を残すだけになりました。色々なことがあって、たくさんの人に出会って、様々な経験が出来た年でした。 皆さんにとっての2010年はどうでしたか?
今月は、つい先日アラフォー世代の男性より質問があったことで、気になることがありましたのでお話をしたいと思います。
昔スポーツをやっていたから体力には自信がある
彼は、『自分は同じ年代の人と比べても身体・体力は絶対若いし、強いと思う。』と言っています。ですが最近、学生時代に体育会系でスポーツをやっていて体力には自信があった人が、子供と一緒タッチフット(ラグビーのタックルの代わりにタッチするゲーム)をやっている途中で障害を負い、そして半身不随になってしまったという話を身近に聞いたそうです。これを聞いた彼から、『体力には自信あるけれど、自分に置き換えると本当にこわい。この場合は何をしておけば良かったのか?また直前には何を気をつければいいんですか?』と質問を受けました。
これを読んだ人は『無理するからだよ』、『適当にやっておけば良かったのに』と思った方も多いと思います。確かにその通りではありますが、子供の運動会やゲームスポーツをした場合、初めは軽く思っていても段々と気持ちが熱くなり、ついつい本気になってしまう事は世のアラフォー世代にはよくある事です。では、そんな時どうしたらよいのでしょうか?
自分の身体能力を知ろう
ある程度年齢を重ねてからの運動中のケガを防ぐためには、自分の筋力・柔軟性・ボディコーディネートの能力を日ごろから知っておくことが重要です。
- 筋力=筋肉がどのくらいの力を出すことが出来るのかという能力
- 柔軟性=筋肉や関節の柔らかさの能力
- ボディコーディネート=脳からの指令で上記の2つの体力要素を正確にコントロールし動かす能力
脳から出た指令が間違っていたり、正確に身体に伝わらなければどんなに筋力があっても身体は上手く動きません。例えば徒競走などでダッシュをする場合『後ろの足で地面を蹴って、その勢いで素早く前に脚を運べ』という指令が脳から出たとしましょう。地面を強く蹴る⇒脚の筋力で強いキックを生み出せたとしても、筋肉が硬く柔軟性に劣っていれば、その強い力に耐えられずふくらはぎの肉離れやアキレス腱の断裂などはおきる可能性はあります。また柔軟性があったとしても、筋力不足であれば脳から出る指令よりもダッシュスピードは遅いためバランスが崩れ、転倒することも考えられます。
以上のことから、筋力・柔軟性・コーディネート能力を日ごろからトレーニングしおく事が必要だと言えます。そして、スポーツ参加の機会が予め解っている場合は、数日前からでもウォーミングアップをしておく事と直前のウォーミングアップはしっかり行うことが重要です。運動不足になると筋肉が減少し、身体が硬くなるとともに、脂肪によって体重が増えたり、姿勢が崩れたりもします。
そうなると複雑な身体活動に対して脳からの情報に誤りが生じてしまいます。動かせない筋肉を本来の動きではない動きで代償してしまう事が多くなります。普段から運動を心がける事は大きな事故を予防するにも重用にな要素だと言えます。
ボディチェックをしてみよう!
下に挙げました、ボディチェックをやってみてください。
- 踵をつけたまましゃがむ
- 背中で上と下で手をつなぐ(左右ともに)
- 腕を動かさずに左右の肩甲骨を近づける
- 右手でグー・チョキ・パーを連続で5回行い、左手は右手に負けるようにテンポ良くスピーディーにおこなう。
- 手と足タッチ。立った状態で身体の前で右手と左足をタッチ、すぐに左手と右足。そしてすぐに身体の後ろで右手と左足、直ぐに左手と右足をタッチ。これを素早く連続で5回おこなう。
どうですか?上手くできましたか?ひょっとするとあなたも運動不足によるコーディネーション力が低下してきているかもしれません。
全部完璧にこなせた人は、かなり優秀です。手も足も出なかった人は要注意です。
スポーツをする前には入念な準備運動をしましょう。また日ごろから運動を心がけましょう。4番や5番が出来なかった人は、ゲームスポーツや複雑に身体を使う運動から遠ざかっていませんか?特定のスポーツを定期的に実践できればベストですが、あまり運動をしない方は、休日にウォーキングをしたり、その時にバックウォーキングをいれたり、階段を横向きで上ったり、あえて足場の悪い道を歩いたりすると良いかと思います。