座る日本人
2020年も今月で終わりですね。なんといっても今年はコロナ一色でした。本当なら夏から秋にかけてはオリンピックで盛り上がっていたはずですが延期。全てにおいて自粛という言葉がまとわりついてきました。さらに今では感染拡大しています。来年はどんなことになるのでしょうか?
新型コロナウィルス拡大により各企業でもテレワークが非常に増えたと思います。そういったことを受けて座姿勢が多くなってきたのではないでしょうか?
私のクライアントさんでも緊急事態宣言時にはほぼ出勤はせず自宅での業務になっていました。また他のクライアントさんでも出社はもちろんせず、1日に16時間も仕事で座っていたなどという方もいました。私のような人間だと耐えられないのですが。
そんなお話を聞いて、座りっぱなしが身体に対する影響を考えてみました。
そもそも日本人の座っている時間は長いのでしょうか?
ある文献で掲載されていますがシドニー大学の研究結果から日本人の座って過ごす時間は1日約7時間、それに対して世界20か国の平均は約5時間だそうです。海外の人たちに比べて日本人は圧倒的に座っている時間が長いということになります。座りっぱなしをイメージするとデスクワークがまず頭に浮かぶと思いますが、ゲームやテレビ視聴でのソファーで過ごす時間もそれにあたりますし、車の運転にも同様です。そう考えると日本人である私たちはかなり自覚できるのではないでしょうか。
このデータは現在のようなコロナ渦でのデータではなく、それ以前のデータであるわけですから、今年の状況を考えると座っている時間は相当増えていると考えてもよいと思います。
では座りっぱなしは何が良くないのか?
座っての作業やソファに寝転んでゴロゴロしたりという時間が長ければ長いほど死亡リスクが高まります。そして疾病では脳卒中、心疾患、肥満、糖尿病、がん、うつ病、認知機能の衰えなどに影響することが明らかになってきています。
驚くべきは内臓疾患のみならず精神疾患も含まれているという事です。また外科的な関節症などにも関連はありそうです。これは長時間座っていることで下肢の筋肉が使われず代謝機能悪化や血流低下また筋力低下などが原因であると考えられています。
1日に座っている時間が4時間未満の人と比べ、1日に11時間以上座っている人の死亡リスクは40%も高まるといわれています。2011年、WHO(世界保健機関)によれば、「世界で年間200万人の死因になる」という発表もあるようです。また喫煙は世界で500万人以上、飲酒は300万人以上の死因といわれています。
そう考えると今や座りすぎは喫煙や飲酒と同じように健康リスクを脅かす要因の一つと言えます。これはかなり衝撃です。
運動習慣があれば良いのか?
座りっぱなしによる死亡リスクは運動を週1回程度行う習慣があれば相殺できるのか?と考えるとこれは全くの間違いであるようです。
ではどのくらいの運動を行なえばよいのかという目安は、中等度の運動(早歩き程度)を1日1時間以上行う必要があると言われています。これはかなりの運動量ではないでしょうか。そう考えると座りっぱなしの生活習慣を改善していく方法が必要になりますね。
現代人は生活をしていく上で常に便利にすることを考えています。もちろんこれは正しいことだとは思います。
しかしその反面、便利になることにより本来の人間に備わった身体機能を損なわせてしまうことになっていると思います。運動習慣の目安をみても座りっぱなしの対策はほかの健康障害の目安とほぼ同じであるといえます。
また整形外科的な疾患においても同様なことが言えると思います。現代人はすべてにおいて便利すぎてしまうことが弊害になっていると考えると、あえて面倒なことをしていくことが健康維持するのに最適なことであるといえそうです。掃除をする、歩いてお買い物に出かける、洗濯をする、洗車をする、お散歩をするなど当たり前の身体活動を行うことで予防がになるのだと思います。
今年はこれで最後になりますが、2021年はコロナが収束しみんなが幸せになれればよいと思います。私自身も新たな目標を立て来年も頑張っていきたいと思います。皆様も良い年をお迎えできますように。今年1年ありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。